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第二回特別講演会 開催報告

5月17日の日曜日、東京大学弥生キャンパスの一条ホールで開催された講演会「辺境のアウトローたち、東南アジア詐欺特区の現在」は、満員御礼となり立ち見が続出した。安田峰俊氏と高野秀行氏が同じ舞台に立つのは今回が初めて。中華アングラ社会を追ってきた安田氏と、ミャンマー北部をはじめ世界の辺境を歩いてきた高野氏が、東南アジア詐欺園区というテーマで120分にわたり語り合った。

クーデター後のミャンマーを扱った社会派のテーマながら、会場は際どい笑いがたびたび起きる空気だった。深刻な現実を扱いつつも、語り口に余裕とユーモアがある二人ならではの場だったと思う。

特に聞きがいがあったのは、二人それぞれの現地取材のやり方や、現場で信頼関係をどう築いてきたかという話だった。普通の取材者がなかなか入れない場所に入り、人の話を引き出してきた書き手だからこそ語れる、現場の作法と勘所が共有された。

このテーマで印象的だったのは、高野氏の指摘である。詐欺園区は麻薬と違って、地元住民を薬物汚染で蝕むことがない。だから麻薬経済と比べれば、地元の人たちにとってはむしろマシな存在として受け止められている面がある。困っているのは、騙される側の先進国の人間のほうであって、現地の人々はそれほど困らない。だから簡単にはなくならないのだ。

被害者と現地のあいだにこの非対称がある限り、外から「無くすべきもの」と言ったところで、内側からの動機は生まれない。詐欺園区がなぜしぶとく続くのか、そしてなぜ根絶が難しいのかを、満員の会場に突きつけた120分だった。