第一回特別講演会 開催報告
文責:あしゅてぃ(芦部衣杓)
2026年4月17日(金)、駒場キャンパス一号館109教室にて、民族問題研究部シリーズ「民族問題を考える」の記念すべき第一回特別講演会「クルド問題入門 無視された存在とそのエージェンシーについて」を開催いたしました。ご来場いただいたみなさま、運営にご協力くださったみなさまに、改めて御礼申し上げます。
講師としてお迎えしたのは、一般社団法人日本クルド文化協会会長であり、東京外国語大学講師もつとめるワッカス・チョーラク氏です。研究者としての視点と、日本に暮らすクルド人コミュニティのリーダーとしての視点を併せ持つ立場から、クルドをめぐる歴史・現在・そしてこれからについて、多面的なお話を伺いました。
講演と質疑応答を通して特に印象的だったのは、議論が幾度も「クルド問題」という言葉そのものへと差し戻されていった点です。そもそも「問題」と呼ぶことは本当に妥当なのか。「問題」として語ることで、かえって見えなくなる当事者の姿があるのではないか。また、クルドの人々はなぜ国家ではなく言語を、自らのアイデンティティの核に据えるのか。こうした問いは、クルドというひとつの事例にとどまらず、ナショナリズムの核心そのものへとまっすぐに切り込むものでした。
民族問題研究部としては、このような問いをひらき、ともに考える場としての特別講演会を、今後も継続的に開催していきたいと考えております。すでに次回、第二回特別講演会「辺境のアウトローたち:東南アジア詐欺特区の現在」を、5月17日(日)に第99回五月祭の特別企画として開催する準備を進めております。詳細は講演会ページをご覧ください。
引き続き、みなさまのご参加・ご支援を心よりお願い申し上げます。